引用元:glassnode
Reserve Riskとは、ビットコイン価格をHODLBANKで割って算出される指標です。
- HODLBANKとは、「ビットコイン価格」と「実際の支出額(ビットコイン売買が成立した金額)の中央値」の日々の差の生涯累積値です。ビットコイン保有者目線でいうと、「ビットコイン価格」は高いほど売却の動機となり、また日数が多いほど売却せずに待っている状態と言えるので、HODLBANKは累積未使用機会費用と捉えることができます。
要するに、HODLBANKはビットコイン保有者にとっての確信度合いを示していると考えることができます。
つまり、今後も価格上昇すると保有者が強く信じて保有ビットコインを売らないタイミングではHODLBANKが増加し、逆に保有者がビットコインの売却をしていくタイミングではHODLBANKが低下します。
Reserve Riskとは、ビットコイン価格をHODLBANKで割った値なので、
- ビットコイン価格が上昇している時や長期保有者がビットコインを信じず売っているタイミングでは、Reserve Riskが上昇します。
- ビットコイン価格が下落している時や長期保有者がビットコインを信じて売らないタイミングでは、Reserve Riskが下落します。
このように、Reserve Riskはトレードの上手い長期保有者の行動を加味した指標なので、Reserve Riskはトレードに役立つ指標と言えます。
ここから、Reserve Riskの意味と活用法を詳しく解説していきます。
Reserve Riskの意味と解釈
Reserve Riskのグラフでは、Reserve Riskの値を示したオレンジ色の線がピンク色のゾーンにいるか緑色のゾーンにいるかによって、次のように解釈できます。
- Reserve Riskがピンクの高値圏にいるときは、ビットコイン価格が高すぎたり、長期保有者がビットコインを積極的に売ったりしている時期なので、ビットコインの売り時といえる
- Reserve Riskが緑色の安値圏にいるときは、ビットコイン価格が安すぎたり、長期保有者がビットコインを売らずに確信的に保有したりしている時期なので、ビットコインの買い時といえる
以下では、このような解釈のもとにReserve Riskの活用法を書いていきます。
Reserve Riskの活用法
このグラフでは、Reserve Riskが高い売り時のゾーンを赤四角で囲んでおり、Reserve Riskが低い買い時のゾーンを青四角で囲んでいます。
ただし、グラフをみても分かるように、Reserve Riskのグラフでは、Reserve Riskの値を示すオレンジ線が長期目線で見て右肩下がりになっています。
これにより、2021年バブルの頂点でもオレンジ線がピンク背景の値まで到達せず、売り時のタイミング(赤四角)を示すことができていませんでした。
このように、バブル頂点でも売り時と判断できない指標では、イマイチで使えない売買指標と言わざるをえません。
推測の域をでませんが、Reserve Riskが右肩下がりになる理由は、すでに紛失されて特定のアドレスから動いていないビットコインなど、実際に人が長期保有しているわけではないビットコインまで、オンチェーン分析では長期保有扱いされてしまうからだと思います。
このことを踏まえて、Reserve Riskで買い時売り時を判断するのも、水平線ではなく右肩下がりの基準線と照らし合わせて判断するのが良さそうだと感じました。
このグラフでは、Reserve Riskを元にした売買判断の基準線を右肩下がりに引き直しています。
このグラフでも上記と同様に、Reserve Riskが青線を下回った時期(青四角で囲まれた価格帯)が買い時で、Reserve Riskが赤線を上回った時期(赤四角で囲まれた価格帯が売り時といえます。
これにより、2021年バブルの頂点も売り時として捉えることができるようになったので、Reserve Riskの活用法としてはより有効になったのではないかと思います。
このように右肩下がりの基準線を引いたのは、私の独自の工夫なので、オンチェーン分析の手法として適切かは分かりませんが、Reserve Riskを解釈する際の1つの工夫として参考になれば幸いです。
この記事を執筆している2023年6月下旬については、Reserve Risk的には「買い時」と判断できそうです。
もちろん、Reserve Riskの指標だけを参考にして売買判断をするのはリスクがあるので、他の指標と合わせて売買の判断材料とするのがいいでしょう。
コメント