引用元:glassnode
Realized Cap HODL Wavesとは、glassnodeで提供されている指標で、Realized Priceで重み付けされたHODL Waveであり、保有期間ごとのビットコイン資産の割合を示した指標です。
ここでは、3ヶ月以内の保有者についてのRealized Cap HODL Wavesを分析していきます。
- Realized Cap(Realized Price)とは、最後に移動されたときの価格に基づいて各UTXOを評価する時価総額のバリエーションです。
- UTXOとは、ブロックチェーン上で残高を管理する仕組み、またはその仕組みで残高の算出に利用される未使用の仮想通貨を指す。
- HODL Waveとは、各期間ごとに最後に移動したビットコインの割合を示したものです。
ビットコインの価格が上がり続けるバブル時には、新規の購入者や短期間で売買を繰り返すトレーダーが増えるので、3ヶ月以内の保有者の割合は急峻に大きくなります(グラフの山の部分)。
一方、ビットコインの価格がだらだら下がる閑散期には、新規の購入者や短期間で売買を繰り返すトレーダーが減るので、3ヶ月以内の保有者の割合は小さくなります(グラフの谷の部分)。
ここから、Realized Cap HODL Wavesの意味と活用法を詳しく解説していきます。
Realized Cap HODL Wavesの意味と解釈
Realized Capは、紛失したコインや長期休眠コインの影響を軽減し、特定のチェーンの経済における実際の存在に応じてコインに重み付けを行います。
大幅に安い価格で最後に移動されたコインが使用されると、コインは現在の価格に再評価され、対応する金額だけRealized Capが増加します。
同様に、コインが最後に移動されたときよりも低い価格で使用された場合、コインはより安い価格に再評価され、それに応じてRealized Capが減少します。
このように書くと小難しいですが、私はRealized Capのことを次のように解釈しています。
- 「見かけのビットコイン時価総額」は、「ビットコインの発行枚数」と「ビットコインの現在価格」を掛け合わせて算出することができる。
- しかし、ビットコインを所有者が紛失しているケースもあるし、現時点で、これまでに発行された全てのビットコインが有効に存在しているとはいえない。
- それにもかかわらず、上記のようにビットコイン総額を計算してしまうと、実際のビットコイン総額よりも、見かけ上、大きなビットコイン総額があるように錯覚してしまう。
- そう考えると、過去のオンチェーンデータを分析し、全てのビットコインにおいて、「ビットコインの発行枚数」と「そのビットコインが最後に取引された取引価格」をそれぞれ掛け合わせて、ビットコイン総額を算出したほうがいいのではないか。
- このように計算してRealized Capを算出することで、ビットコインの正確な時価総額を推定できそうだ。
また、Realized Cap HODL Wavesは、Realized Priceで重み付けされたHODL Waveのことなので、このように推定されたビットコインの時価総額に基づいて、期間ごとの資産割合を示しているといえます。
Realized Capについては、英語表現を私なりに噛み砕いて解釈したものなので、間違っている部分もあるかもしれませんが、以下ではこのような解釈のもとにRealized Cap HODL Wavesの活用法を書いていきます。
Realized Cap HODL Wavesの活用法
Realized Cap HODL Wavesの3ヶ月以内保有者を分析した際の活用法としては、
- 3ヶ月以内保有者の割合が15%程度まで減っているタイミングは、ビットコインの閑散期の最終段階に見られる傾向があり、ビットコインの買い時(グラフの着色部分の谷にある買い矢印)
- 3ヶ月以内保有者の割合が70%以上まで増えているタイミングは、ビットコインのバブル期の最終段階に見られる傾向があり、ビットコインの売り時(グラフの着色部分の山にある売り矢印)
というのが有効だと思います。
この記事を執筆している2023年6月中旬については、「買い時」とも「売り時」とも言いづらい状況ですね。
もちろん、Realized Cap HODL Wavesの指標だけを参考にして売買判断をするのはリスクがあるので、他の指標と合わせて売買の判断材料とするのがいいでしょう。
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