引用元:glassnode
Drawdown from ATH for Realized Capとは、glassnodeで提供されている指標で、Realized Capのオールタイムハイからのドローダウンであり、ビットコインのネットワークへの資本流入または資本流出を示した指標です。
- Realized Capとは、最後に移動されたときの価格に基づいて各UTXOを評価する時価総額のバリエーションです。
- UTXOとは、ブロックチェーン上で残高を管理する仕組み、またはその仕組みで残高の算出に利用される未使用の仮想通貨を指す。
- オールタイムハイとは、ビットコインの過去最高価格を意味する言葉です。
- ドローダウンとは、特定の金額(ここではビットコインの過去最高価格)からの下落率を指す言葉です。
Realized Capはビットコインの時価総額を表現していて、Drawdown from ATH for Realized Capはビットコインの時価総額がバブルのピークからどれくらいシュリンクしたかを表しています。
ここから、Drawdown from ATH for Realized Capの意味と活用法を詳しく解説していきます。
Drawdown from ATH for Realized Capの意味と解釈
Realized Capは、紛失したコインや長期休眠コインの影響を軽減し、特定のチェーンの経済における実際の存在に応じてコインに重み付けを行います。
大幅に安い価格で最後に移動されたコインが使用されると、コインは現在の価格に再評価され、対応する金額だけ実現上限が増加します。
同様に、コインが最後に移動されたときよりも低い価格で使用された場合、コインはより安い価格に再評価され、それに応じて実現上限が減少します。
このように書くと小難しいですが、私はRealized Capのことを次のように解釈しています。
- 「見かけのビットコイン時価総額」は、「ビットコインの発行枚数」と「ビットコインの現在価格」を掛け合わせて算出することができる。
- しかし、ビットコインを所有者が紛失しているケースもあるし、現時点で、これまでに発行された全てのビットコインが有効に存在しているとはいえない。
- それにもかかわらず、上記のようにビットコイン総額を計算してしまうと、実際のビットコイン総額よりも、見かけ上、大きなビットコイン総額があるように錯覚してしまう。
- そう考えると、過去のオンチェーンデータを分析し、全てのビットコインにおいて、「ビットコインの発行枚数」と「そのビットコインが最後に取引された取引価格」をそれぞれ掛け合わせて、ビットコイン総額を算出したほうがいいのではないか。
- このように計算してRealized Capを算出することで、ビットコインの正確な時価総額を推定できそうだ。
Realized Capについては、英語表現を私なりに噛み砕いて解釈したものなので、間違っている部分もあるかもしれませんが、以下ではこのような解釈のもとにDrawdown from ATH for Realized Capの活用法を書いていきます。
Drawdown from ATH for Realized Capの活用法
Drawdown from ATH for Realized Capの活用法としては、
- Realized Capのオールタイムハイからのドローダウンが10%超えで数ヶ月〜数年継続している期間(グラフのピンクゾーン)に買う
- Realized Capがオールタイムハイになってすぐ売るのはもったいない(オールタイムハイになってから数ヶ月〜2年)はバブル的に価格上昇するケースが多い
- Realized Capがオールタイムハイになって数ヶ月〜1,2年そういった状況が継続していれば(上のグラフの白ゾーンの後半になったら)、バブル後半と判断して、徐々に売って利確していくのもアリ
というのが有効だと思います。
この記事を執筆している2023年6月上旬については、縦軸(オールタイムハイからのドローダウン)的にも、横軸(ピンクゾーンが1年程度続いている)的にも、「買い時」と捉えて良さそうですね。
もちろん、Drawdown from ATH for Realized Capの指標だけを参考にして売買判断をするのはリスクがあるので、他の指標と合わせて売買の判断材料とするのがいいでしょう。
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